聞いておきたいこと

少しネタばれかも知れないので、未読の方はご注意を。

さいころ、オムライスが好きだった。味は覚えていない。ただ、オムライスが好きだった、という記憶だけがある。
大人になってから、母に言ってみたことがある。「オムライス、もう一回作ってよ」
「あんたが小さいころ、一生分作ったから、嫌!」
即答だった。
今でももう一度食べたかったな、と思う。だからね、シロさんがお母さんに肉団子の作り方を聞いたのは、もちろん弁当作りのタイミングでもあったんだろうけど、本当に聞いておきたかったんだと思った。うちの母はお裁縫や編み物はとても上手な人だったけれど、料理は普通か若干苦手で、娘に料理なんて教えてくれる人ではなかった。子供3人育てながら、日勤夜勤泊まり有りの不規則勤務をこなしていた人だから、そんな暇はなかったんだろうなあと、子供を生んでから思った。だけどやっぱり、母の味を教わることができなかったのは、とても残念だと思う。今、斜め後ろでぐーすか寝ているミドリには、みそ汁と卵焼きくらいは教えておこうと思う。
ちなみに今日の夕食は、6巻の水餃子です。二、三日前、夫がポツリと「ギョーザ包みたい」みたいなことを言ったので。朝、時間のあるうちにと白菜を刻んでいたら(うちにフープロなんて物は無い)、「そんなオオゴトなの?!」とびっくりされました。料理はね、手間と愛情なんですよ〜