まちがいさがし?

浅田寅ヲパイドパイパーにはまって以来のドツボっぷりです。近藤史恵サクリファイス
原作と漫画を読み比べていて気づいたことがふたつ。
伊庭の名前が和実じゃなくて和美になってる。名前は違ったら駄目でしょー
あと、かっこよすぎな石尾さん、原作では「二十歳を過ぎても高校生にカツアゲされそうになった」くらい華奢な人のはず… Sサイズのジャージが余るような人のはず…漫画版は絶対カツアゲとかされなさそうな迫力です… でもエースって言われて納得なのは漫画版かな。小説外伝のまだ若い石尾さんとはそぐわないけど。「そんなことするから、石尾係だって言われる」なんて絶対言わなさそうだけど。
揚げ足取りをしてみましたが漫画版、大好きですよ。特に19話の表紙絵、三人の背中。最高。漫画でしか出来ない表現。後に続く惨劇の陰惨さがより際立つ。
この先ネタバレにつき注意願います。



石尾の真意を知っているのは、チカと伊庭、そして袴田。長年石尾をアシストしてきた赤城は何も知らない。
彼らはチカのツール参加を、あのマイヨ・グランペールをどうみただろう。伊庭は歯ぎしりしながら見ただろう。袴田は脱力したかな。ざまあみろと言いたい。あんたがあんな真似をしなくったって、チカは自力でたどり着いたんだ。赤城は泣いたかもね。石尾をヒルクライム荒らしの山猿から、サイクルロードレースの一員にしたのは間違いなく赤城だもの。石尾との口約束をきっと思い出しただろう。チカに、石尾を重ねたかも知れない。
石尾がいたら、彼が生きていたら、どうしただろう。きっと嫉妬しただろう。だけど誰よりも喜んだだろう。あの時、自分を踏み台にして、チカを羽ばたかせたのは彼だから。
サクリファイス。犠牲。生贄。この言葉の意味と小説の粗筋だけからでは、想像もつかなかった。

さ、明日からはまた現実に帰ろう。きっと山積みの書類が私を待っている…