それはとても晴れた日で

祖母は言う。
「自殺でもないし殺されたんでもない。治療を受けてそれでも助からなかったんだから仕方がない」
私は頷く。本当は異論のあるところだけど、実の娘のために初盆用の提灯なんか新調しなきゃいけなかった人にかける言葉なんかない。

一年。
長くて短かったですよ。
田舎なもんで、一周忌も初盆も法要だけは自宅でやるからさあ大変。
結婚式の準備が大変なのは簡単に離婚しないようになんだと言う説がありますが、法事もそう簡単に死んでもらっちゃ困るからこんなに大変なのかしら。とりあえず明日うちの年寄りどもには最低十年は死ぬの禁止って言っとこう。こーゆー苦労は出来たらもう少し社会経験を詰んでからしたかったですねえ。何分器が小さいもんで、頑迷な年寄り化している父やいっぱいいっぱいになっている伯母になかなか優しくできないのです。
それもこれもそもそもの元凶は体調不良を認めたく無くてズルズル放置していたどこかの間抜けな母親のせいですけどね!
こうやって文句を言い続けたら怒って帰って来たりしないかしら。そしたら絶対に家の片付けをさせるんだけどなあ……