本当に?

「鹿男」のオープニングナレーションで「人はいつしか大いなる力を忘れ…」とか何とか言うフレーズがあるけど、本当にそうかな、と思った。ここ数日テレビをつけるたびに映るのは、海に向かい、太鼓を鳴らし、祈り続ける女性達の姿。ちゃんと海の神への祈りを忘れていない人たちもいるんじゃん。女達は船に乗れないから、浜から呼び続けるしかない。どうか無事に返してくださいと、祈り続けるしかない。
冬の海は暗くて冷たい。小さな漁船に乗る人たちはそのことをきっと肌で知っている。だから浜で待つ人たちは今でも祈りを忘れていない。大きな船の中の人たちは、それを忘れてたんじゃないのかとか思ってしまう。海は恐いものだって、忘れてたんじゃないの? その堅固な盾の中に収められたミサイルなんかより、ずっとずっと恐いものだって。お公家顔の大臣を辞めさせて済む話じゃないでしょうに。