納涼

残穢

残穢

立秋を過ぎたけれどまだ暑いので怪談を読んだ。いわずと知れた名手の良作。小説なのに、いつの間にか実話怪談を読まされている気になり、貞子どころではない感染力に戦いたが、最後の最後でこれは小説なのだと思い出させてくれた。よかった。戻ってこれた。
作中には実在の怪談作家が複数登場する。その中の一人の著書は私も愛読しているのだが、いくつか記憶に残る怪談があって、それと思しきモチーフがさりげなく織り込まれていて、さすがにうまいと思った。祟る廃車の話。あれはよかった。
とてもよく出来た実話系怪談です。実話じゃありませんが、背筋がぞわっとします。
あれ? 実話じゃ無いよね…?